築25年のマンション水廻りのリフォームです。
水廻りを改修したいがどうしたら良いかわからない…という相談からはじまりました。「リフォームパックは味気ないし、特別なものを望んでいるのでもない。」ただ、近代建築を愛する施主は「タイルだけは使いたい!」との熱い思いがありました。
早速、お宅を見せていただくと、綺麗に住まわれているものの、築25年なりに部分的にサビや傷みがでてきていた。また、将来にむけて、浴槽のまたぎ高さや出入り口の段差を減らしたいとの要望もありました。ヒアリングを元に打合せを進め、平面計画、収納計画は極めてシンプなものとし、洗面室に洗濯機置き場と廊下の一部を加え、広く使えるように変更しました。トイレには、手洗い、ニッチを設け、ゆとりのある空間とし、建具は引戸に交換して使い勝手だけではなく、風通しにも配慮しました。
モザイクタイルは、施主自ら色の配合を決定し、こだわりの一品ができました。曲面で連続させた壁・天井はモザイクタイルと調和する漆喰としました。床は、コストを優先させて、クッションフロアです。浴室も費用対効果でユニットバスにしました。欲張り過ぎず、思い入れのある部分は妥協せず、バランスよく予算を配分しました。
トイレから洗面室へモザイクタイルが繋がるように、廊下にもタイルが出るようにデザインしました。廊下のコーナー部分に施した漆喰の大面取りは、近代建築からデザインモチーフを拝借し、昭和レトロな雰囲気ができあがりました。左官屋さんの仕事が光っています。
竣工後、施主が浴室前に銭湯用の暖簾を掛け、遊び心のある水廻りとなりました。
住みながらの改修で、かつ漆喰という湿式工事があったため、左官工事中は近所の銭湯に通っていただくなど、施主も大変でしたが、その甲斐有り、魅力的な水廻りができあがりました。
築25年、マンション水廻り改修、モザイクタイル、漆喰、曲面天井、和モダン、昭和レトロ