この住宅は建築家 曽田甚蔵氏(JR高尾駅北口駅舎を設計したと言われている)により昭和5年に建てられた自邸でした。しかしながら、10年以上も空き家の状態続き、2006年の春には床も腐る程の惨状でしたが、建て主は凛とした佇まいを持つこの家に惹かれ、購入・再生を決意したのでした。
構造から造作家具・建具まで詳細に損傷状態を調査し、「残す」ところ、「変える」ところを決め、設計を進めました。「残す」部分は、当時の姿に戻すことを目標にし、近代和風建築の魅力を再生しました。「変える」ところは昭和初期の雰囲気を生かしつつ、耐震補強はもちろんのこと、現在の生活に即した性能まで住環境を改善させました。
建て主の夢であったアンティークギャラリー 「路考庵」を付加し、伝統を踏襲しつつ和モダンな空間を創出しました。北鎌倉の家は国土の歴史的景観に寄与している建物として2010年に国の登録有形文化財に登録されまた。
築78年、大屋根、耐震補強、断熱、近代和風、古民家再生(リノベーション)、登録有形文化財
第25回 住まいのリフォームコンクール 優秀賞受賞
2010年
日比谷花壇WEB「花のある暮らし 夏特集」撮影
古民家スタイル14号 掲載
2011年
チルチンびと67号 掲載