築17年の住宅に、子世帯が同居するための増改築です。リフォームと増築の要望を実現するためには、増築の確認申請がどうしも必要でしたが、検査済証のない物件でした(2005年以前は住宅等の小規模物件では、建築確認の完了検査を受けないことがよくありました)。クライアントと一緒に建築指導課で協議を重ね、増築の確認申請を出す前段階として、建築当所の確認申請書通りに家が建ったという調査報告書を作成し、ようやく増築へと進む事ができました。→「増築の確認申請」の詳細はQ&Aを参照下さい
2階にあった親世帯の寝室を増改築し、子世帯の住居スペースとして大幅にリフォームしました。1階には親世帯用の和室を増築し、階で世帯の居住部分をゾーン分けしました。
2階のキッチンでは、名古屋モザイクのタイル「アルハンブラ」がアクセントになっています。壁と、作業収納台の前面に「アルハンブラ」を帯のように入れました。シンプルなキッチンに機能的にも、視覚的にも、まとまりを持たせました。正面に出ている梁と柱は以前間仕切り壁のあった部分です。構造上必要ものなので素直に残しました。家の変遷を物語る貴重な存在となっています。
竣工後、増築の建築確認申請の完了検査を終え、無事検査済証を取得しました。取得してしまえば一枚の紙ですが、その重みを改めて感じたリフォームでした。今後は完了検査済証の有無が建物の不動産価値を左右する重要な書類になりつつあります。今回のリフォームで2世帯が住みやすい家になったことはもちろんの事ですが、検査済証を取得したことで、資産としての家の価値も高まりました。
築17年、2世帯住宅、採光、通風、断熱、増築確認申請、ウッドデッキ、リノベーション