保存活用のための計画は文化財に指定や登録されていない歴史的建造物(古民家等)に対して、その価値を活かしながら、持続的に活用を進めるための計画です。
歴的建造物の佇まいに魅せられて、古屋の活用にチャレンジしている事業者を最近よく見かけます。皆さん頑張っていて非常に頼もしく思いますが、事業をスタートさせてから今後どのように建物と関わっていけばよいのか、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
歴史的建造物は建物の持つ潜在力(価値)が高いので、あまり手を加えなくても素敵な空間をつくることが可能です。逆に手を加えていく過程で残すべきところを改修してしまう残念なケースをもあり、歴史的建造物の価値の把握は最も重要なポイントです。また、建物が古いことから、現在の建築関連法規に則していない場合も多々あります。建物の状況を理解しないまま、事業をスタートすると、思わぬリスクを建物管理者、利用者が被ることになりかねません。特に店舗等、不特定の来客を見込む場合は、建物の管理責任が生じるので状況把握が大切です。
建物の物理的な不具合があっても、リスクを是正できれば問題になりませんが、なかなか是正し切れないところが難しいところだと思います。そのような場合は、リスクの分散、共有という考え方ができれば、有事でも事業を継続させることができると考えられます。民間での歴的建造物の活用はこのリスクの分散と共有という視点が重要になります。
保存活用のための計画は歴史的建造物(古民家等)の歴史的な価値を整理し、保存・活用のために必要となる検討事項を建物ハード面、関連法規面、活用面等、多角的な視点から総合的に計画するもので、文化庁の定める保存活用計画をベースに、一般的な古民家等に対しても検討できるよう柔軟性を持たせた計画です。歴史的建造物の価値を維持しながら、実情に合わせた活用計画です。
古い建物の活用について悩んでいることがありましたら、ご一報ください。最善の方法を一緒に検討します。