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第5回見学会 旧古河邸「日本の石の家」

  • ちくらの会
  • 2013.02.27
chi05

1917年(大正6年)竣工 煉瓦造2階建 ジョサイア・コンドル設計 施主:古河虎之介
2月末の寒い日の見学会になりました。バラで有名な古河庭園も人が少なく「季節が良くなかったかな」と思いながらも、10名近くの参加者。(財)大谷美術館の坪井さまの案内で見学会はスタート。「この時期は人が少ないので建物の見学には良いですね」とのお話に、「良かったんだ」とほっとしました。待合いの部屋は暖房も入っており、しばし優雅な気分にひたり、そして寒い部屋では大邸宅に住む苦労を感じました。今から約96年前に建てられた古河邸は住まいとして使われたのは約9年ほどで、その後は迎賓館・イギリス軍への接収・蔦に覆われる状態を経て、昭和57年東京都指定文化財となり現在の姿に至るそうです。蔦に絡まれていた時期は大変でしたが、蔦に守られていたとも言えるというお話が「オニヅタ」の古河家家紋のシンプルなステンドグラスとあいまって、とても興味深かったです。
古河邸は旧岩崎邸(1892年竣工)とは対照的に装飾も少なく、まさに洋館の本質を大切にしつつ、日本の生活を取りこむ工夫がつまった質実剛健な「住まい」でした。古河虎之介さんは時代に似合わず質素な方だったとか、建物そのものに感動するというより、建物を通して、施主や設計者の人となりを感じ、感動するのだと思いました。今度は天井の「りんご」や「びわ」のレリーフを眺めながらゆっくりとお茶をしたいと思いました。
外壁の新小松石(真鶴産)・磨きこまれた100年前のシャンデリア・袋張りの壁紙・磨き大津壁・市松張りの格天井(鏡板は屋久杉)・繊細な筬欄間・コンドル流長押のまわし方・米松の床の補修方法、、、、などなど見所満載の見学会。長時間のご説明ありがとうございました。喫茶コーナーは終わってしまったので、シメは近くのお団子屋さんで団らんしました。<太田>