道路が東西面にあるメリットを生かし、玄関ドアの軸線上に勝手口(西側)がある中廊下式の間取としました。勝手口の外には一畳の半外部スペースがありFRP格子パネルの引き戸で道路と仕切られています。この勝手口スペースが緩衝帯となり浴室や個室の採光・通風を程良く確保しています。2階は回遊式台所を中心に配置し、どこにいても気配の感じられる開放的な空間としました。
荒川区では木造2階建ての住宅であっても準防火地域では準耐火構造で建てなければならなりません。2階の梁や柱、階段を一部化粧(木部表し)として設計しましたが、耐火被覆分を加味しているので本来必要とされる材寸よりも太くなりました(これを燃え代設計と言います)。燃え代設計による柱を大黒柱と見立てて、LDKの中央に配置しました。木造を木造らしく造るのに様々な制約がかかりますが、安全性能を確保しつつ、木造の良さをデザインした住宅となりました。
家族が集う家 燃え代設計 狭小地 自然素材の家 外張断熱 24h排気型集中換気システム
掲載誌 New House 2005年4月号